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ペルシャ絨毯の5大産地
●イスファハン(Esfahan)
イスファハン産の絨毯は、シルクを使った細かい織りと洗練されたデザインが特徴です。中央に大きなメダリオン(円形の模様)が描かれ、花や蔦が精密に織り込まれています。結び目の密度が非常に高く、高級品が多い産地です。
●タブリーズ(Tabriz)
タブリーズの絨毯は、豊かな色彩と細密なデザインが特徴。メダリオン柄、狩猟シーン、宮殿の風景など、多彩なデザインが見られます。結び目が細かく、耐久性にも優れています。
●ナイン(Nain)
ナインの絨毯は、アイボリーやブルーを基調とした上品な色合いと、シルクを混ぜた精密な織りが特徴です。ナイン絨毯は「6La(6本糸)」「9La(9本糸)」などのグレードがあり、6Laの方が細かい織りで高級品とされています。
●ゴム(Ghom)
ゴム(クム)は、シルク絨毯の産地として有名です。光沢のあるシルクを使用し、精密な模様が織り込まれた絨毯が多いのが特徴。色鮮やかで装飾性が高く、美術品としても人気があります。
●カシャン(Kashan)
カシャンの絨毯は、伝統的な赤や青を基調としたメダリオン柄が特徴。品質が安定しており、初心者にもおすすめの産地です。



職人技が生み出す芸術品
ペルシャ絨毯の製造工程
ペルシャ絨毯は、熟練した職人の手によって何ヶ月、時には数年をかけて丁寧に織られる芸術品です。その美しさと耐久性は、伝統的な製造工程によって生み出されます。ペルシャ絨毯がどのように作られるのか、主要な工程をご紹介しましょう。
① デザインの作成(下絵)
絨毯の製作は、まずデザインを決めることから始まります。熟練したデザイナーが、細密な幾何学模様や植物、動物などの伝統的なモチーフを取り入れた図案を作成します。絨毯のデザインは「カートン」と呼ばれるグリッド状の紙に描かれ、職人はこの図案をもとに織っていきます。
② 素材の準備(糸の選定・染色)
ペルシャ絨毯の品質を決める重要な要素の一つが、使用される糸の種類です。主にウール、シルク、または綿が使用され、それぞれの特徴によって絨毯の質感や耐久性が変わります。
◎ウール:丈夫で温かみがあり、伝統的なペルシャ絨毯に広く使われる
◎シルク:光沢があり、細かい模様を織るのに適している高級素材
◎綿:主に経糸(たて糸)に使われ、丈夫な基盤を作る
染色には、『天然染料(植物や鉱物由来)』が使用されることが多く、長い年月を経ても美しい色合いを保ちます。代表的な天然染料には、『ザクロの皮(黄色)、インディゴ(青)、茜(赤)』などがあります。

③ 織り作業(手織り)
ペルシャ絨毯の織りは、伝統的な手結びによって行われます。職人は織機(ルーム)に経糸を張り、一本一本結び目を作りながら織り進めます。この結び方には『ペルシャ結び(セネ結び)とトルコ結び(ギョルデス結び)』の2種類があり、地域によって異なります。 一般的に、1平方メートルあたりの結び目の数が多いほど、絨毯の品質が高くなるとされています。高級なシルク絨毯では、1平方メートルに100万ノット以上の結び目が施されることもあります。

④ 織り上げ後の仕上げ(剪毛・洗浄)
絨毯が完成すると、表面の毛足を均一に整えるために「剪毛(せんもう)」が行われます。これにより、模様がくっきりと浮かび上がります。
次に、洗浄作業が行われ、余分な染料やホコリを取り除きます。この洗浄によって、色が鮮やかになり、絨毯が美しく仕上がります。
⑤ 仕上げと検品
最後に、職人が縁の補強や細かい修正を施し、品質を厳しくチェックします。この段階で、絨毯の形が整えられ、端の仕上げ(フリンジ処理)も行われます。すべての工程を終えた絨毯は、ついに完成し、世界中へと届けられます。

ペルシャ絨毯は、デザインから仕上げまで、多くの職人の手を経て生み出される伝統工芸品です。
一本一本の結び目に込められた技術と情熱が、絨毯の美しさと耐久性を生み出しています。
MARCでは、本場イランの職人によって織られた最高品質のペルシャ絨毯をお届けしています。
ぜひ、店頭でその手仕事の素晴らしさを感じてください。

数千年にわたる芸術と伝統
ペルシャ絨毯の歴史
ペルシャ絨毯は、数千年にわたる歴史と職人技が息づく世界有数の芸術品です。その美しさと品質の高さは、古代から現代に至るまで多くの人々を魅了してきました。本記事では、ペルシャ絨毯の歴史を振り返り、その発展の流れを探ります。
古代の起源(紀元前500年以前)
ペルシャ絨毯の起源は古代ペルシャ(現在のイラン)にさかのぼります。世界最古の絨毯として知られる「パジリク絨毯」は、シベリアの凍土から発見された紀元前5世紀頃の作品で、ペルシャの影響が色濃く表れています。このことから、当時すでに高度な織技術が確立されていたことがわかります。
ササン朝時代(224年~651年):王宮の絢爛たる絨毯
ササン朝ペルシャの時代には、宮廷の装飾品として高級絨毯が使用されるようになりました。最も有名なのは、ササン朝の王宮に敷かれていた「スプリング・オブ・ホスロー」と呼ばれる巨大な絨毯です。金糸や宝石をあしらった豪華な絨毯は、絨毯が単なる実用品ではなく、芸術品としての価値を持ち始めたことを示しています。
イスラム時代と黄金期(7世紀~18世紀)
イスラム帝国の成立後、ペルシャ絨毯の技術はさらに発展しました。特に16世紀から17世紀のサファヴィー朝(1501年~1736年)は、ペルシャ絨毯の黄金時代とされています。この時期、王立工房が設立され、イスファハン、タブリーズ、カシャーンなどの都市で高度な技術とデザインが生み出されました。
この時代の絨毯には、精緻な花模様、アラベスク文様、動植物のモチーフが多用され、美術館に所蔵される多くの名品が生まれました。特に「アルデビル絨毯」は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館に展示される代表的な作品です。
カージャール朝から近代(18世紀~20世紀)
18世紀以降、カージャール朝(1789年~1925年)の時代には、絨毯は輸出産業として発展し、欧米市場で人気を博しました。西洋の需要に応じて、大型の絨毯や細密なデザインの作品が増え、多くのペルシャ絨毯が世界中に輸出されました。
現代のペルシャ絨毯(20世紀~現在)
20世紀以降、機械織りの技術が普及しましたが、手織りのペルシャ絨毯は依然として高い価値を持ち続けています。特に、ナイン、クム、タブリーズ、イスファハンなどの地域では、伝統技術を守りながら新しいデザインも取り入れ、高品質な絨毯を生産しています。
2009年には、ユネスコの無形文化遺産に「ペルシャ手織り絨毯」が登録され、その芸術性と文化的価値が国際的に認められました。
ペルシャ絨毯は、単なる敷物ではなく、歴史・芸術・文化が融合した伝統工芸品です。
何世代にもわたる職人の手によって紡がれ、今もなお世界中で愛されています。
MARCでは、この素晴らしいペルシャ絨毯の魅力を皆さまにお届けし、その美しさと伝統を次世代へとつないでいきます。




ペルシャ絨毯の
スタンダードサイズ
絨毯のサイズは、用途や設置場所に合わせて選ぶことが重要です。
以下は、代表的なサイズと使用例です。
① 玄関マット、壁掛け、小さなアクセントに
② ベッドサイドや書斎の足元に
③ 小さめのリビングやソファの前に
④ 2人掛けソファの前や寝室に
⑤ リビングルームやダイニングテーブルの下に
⑥ 広めのリビングや大きなダイニングスペースに
⑦ 廊下やキッチンの細長いスペースに
⑧ お部屋のアクセントやテーブルの下に

あなただけの一枚を
ご提案いたします
「お部屋の雰囲気を一新したい」 「長年愛せる本物の品質を」とお考えのあなたへ。 上質なペルシャ絨毯は、まさに一生ものの財産です。 お部屋に合わせた最適なサイズ、お手持ちの家具との調和を考慮した色選びは、 空間全体の印象を格上げします。
触れてみればわかる、ふわふわとした肌触りや、しっかりと足を受け止める確かな踏み心地。 写真だけでは決して伝わらない、本物の絨毯が持つ魅力です。
ぜひ一度、当店で上質な絨 毯の風合いをご体験ください。

アフターケア
ペルシャ絨毯は、適切なケアを施すことで何十年、さらには100年以上にわたって美しさを保つことができます。MARCでは、ご購入後のアフターケアもしっかりとサポートし、大切な絨毯を長くご愛用いただけるようお手伝いしています。クリーニング、房の入れ替え、染み抜き、パイルの修理など、様々なメンテナンスに対応しており、プロの職人が一点一点丁寧に仕上げます。
●クリーニング(洗浄)
ペルシャ絨毯は天然素材でできているため、日常的な使用によってホコリや汚れが蓄積します。MARCでは、ペルシャ絨毯専用の洗浄方法で、絨毯の風合いを損なうことなく丁寧にクリーニングを行います。
クリーニングが必要なサイン
• 色がくすんできた
• 表面にホコリが溜まっている
• 飲み物や食べ物をこぼしてしまった
• ペットの毛や臭いが気になる
定期的なクリーニング(3~5年に一度)を行うことで、絨毯の色彩や質感を長く保てます。
●房の入れ替え・補修
ペルシャ絨毯の両端には「房(フリンジ)」と呼ばれる飾りが付いています。房は見た目の美しさだけでなく、絨毯の経糸の一部であり、ダメージを受けると絨毯自体の耐久性にも影響を及ぼします。
MARCでは、摩耗した房の入れ替えや補修も承っており、オリジナルのデザインを保ちながら修復いたします。房の修理には手作業による結び直しや新しい房の取り付けなど、さまざまな方法がありますので、お客様の絨毯の状態に合わせて最適な修理を行います。
●染み抜き・色補正
うっかり飲み物をこぼしてしまったり、家具の跡が付いてしまったりした場合でも、適切な処理をすれば元の美しさを取り戻すことができます。MARCでは、専用の技術を用いた染み抜きや色補正を行い、絨毯本来の風合いを蘇らせます。
よくある染みの種類と対応
• コーヒーや紅茶の染み → 特殊洗浄で除去
• ワインやジュースの染み → 酸化防止処理と染み抜き
• ペットによる汚れ → 消臭処理と洗浄
• 日焼けによる色あせ → 色補正で自然な仕上がりに
特に、シルク絨毯の染み抜きは繊細な作業が求められますので、自己処理せずにご相談ください。
●パイル(毛足)の修理
ペルシャ絨毯は日常の使用で少しずつ摩耗し、毛足(パイル)がすり減ることがあります。特に玄関やリビングなど、よく踏まれる場所の絨毯は、部分的に薄くなってしまうことがあります。
MARCでは、経験豊富な職人が手作業で一本一本のパイルを補修し、元の状態に近づける修理を行います。特に高級絨毯やアンティーク絨毯は、慎重に作業を進める必要があるため、専門の技術が求められます。
●縁の補強・穴あき修理
絨毯の端(エッジ部分)がほつれてきたり、小さな穴が空いてしまった場合でも、修理が可能です。MARCでは、伝統的な技法を用いて手作業で縁の補強を行い、耐久性を高める処理を施します。
穴が空いてしまった場合でも、絨毯のオリジナルの糸に近い素材を使用し、織り直すことで目立たなくすることが可能です。
ご自宅でのお手入れ
MARCのアフターケアと併せて、日常的に気をつけるポイントを押さえることで、より長く美しい状態を保つことができます。
●定期的に掃除機をかける(週1~2回)
繊維の奥にホコリが溜まらないよう、毛の流れに沿って優しく掃除機をかける。
ブラッシングも効果的です。
●時々、向きを変える
絨毯の一部分だけがすり減らないよう、半年~1年ごとに回転させる。
●直射日光を避ける
長時間の日光で色あせが進むため、レースカーテンやブラインドで調整。
●家具の跡がつかないよう工夫する
重い家具を置く場合はフェルトパッドを敷く。

大切な一枚を守る為に
MARCでは、お客様が大切に選んだ絨毯を長く美しく使っていただけるよう、専門的なアフターケアをご提供しています。
●プロによるクリーニングで清潔に
●房の入れ替えやパイル修理で美しさを保つ
●染み抜きや色補正で新品同様に蘇らせる
●日常のメンテナンスアドバイスも提供
ペルシャ絨毯は、適切にお手入れすれば何十年、場合によっては百年以上も良い状態を保つことができます。
MARCでは、ご購入後のクリーニングはもちろん、染み抜き、房(ふさ)の交換、パイルの修復など、絨毯を長くお使いいただけるよう、様々なメンテナンスを行っております。
ペットによる汚れや傷などについても、クリーニングで対応できますので、ご相談ください。

